知床半島沖で起きた観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故では、安全運航のための規定を運航会社が守っていなかったとみられている。
「KAZU I(カズワン)」は昨年5、6月に座礁などの事故を相次いで起こしており、国土交通省北海道運輸局は運航会社「知床遊覧船」を行政指導していたが、結果的に今回の事故を防げなかった。
別の観光船会社の社長は3月、「KAZU I(カズワン)」の船首に約15センチの亀裂があるのを目にした。
海が荒れると予想されていた23日に「行くな」と止めたが、助言は生かされることなく、出港したという。
旅客船の運航事業者は、海上運送法に基づき安全管理規定を作成し、国交相に届け出る義務がある。
規定には、風速や波の高さなど出航可否の判断基準を記す必要があり、違反への罰則もある。
知床遊覧船は「波が1メートル以上、風速8メートル以上」の場合に欠航するとしていた。
同社社長は、消息を絶つ約4時間前に出航した時点では、1メートル以下だったと説明している。
運航する海域の状況などで事情が異なるため、全事業者で一律の管理規定を設けることは難しい。
明らかに実情を無視していれば同省が是正を指導するが、規定内容は業者の申告任せとなっているのが実情だ。
同社は、無線アンテナの破損を把握しながらカズワンを出航させており、船内の衛星携帯電話も使えなかったとみられている。
目先の利益のみを追求し、安全性は全く無視したが故に起きてしました今回の事故。
改めて安全性について考えさせられました。
亡くなった方のご冥福をお祈りし、少しでも早い全員の発見救助をお祈りします。
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